ChatGPTのタスク機能で、毎朝おすすめ論文を自動要約させる方法【医師向け】

生成AI

忙し過ぎて「論文チェック」は続かない

論文を読まなければいけないと分かっていても、
日常診療の中でそれを習慣として続けるのは簡単ではありません。
やる気や意識があっても、忙しいとなかなか論文を探しに行く気になれません。

毎日忙しくて、PubMedを開く気力がない

外来、病棟業務、書類作成、カンファレンス…。
一日の業務が終わった頃には、
精神的にも体力的にも余裕がなくなっていることがほとんどではないでしょうか。
その状態で「これからPubMedを開いて検索する」という行動をとるのは
私の場合、かなりハードルが高かったです…。
論文を読む以前に、探しに行く段階でエネルギーを使い切ってしまってました

どの論文を読むべきか判断するのが面倒

仮にPubMedを開けたとしても、次に待っているのは
「この論文は読む価値があるのか」という判断です。
タイトル、アブストラクト、掲載誌、発表年、対象集団などを確認しながら、
読む前の段階で何度も意思決定を求められます。
その結果、読む前に疲れてしまうことが少なくありません。

論文を読む前の段階に、判断と労力が集中しすぎていること。
これが、論文インプットが習慣化しない最大の理由だと考えています。

だからこそ必要なのは、
「頑張って読む」という根性論でなく、
判断と探索の負担を最初から減らす仕組みだと思います。

ChatGPTの「タスク機能」とは何か

ChatGPTのタスク機能とは、
あらかじめ設定した指示を、決まったタイミングで自動実行してくれる機能です。
これまでのChatGPTは、「その場で質問して、その場で答えを返してもらう」使い方が中心でした。
一方でタスク機能を使うと、
自分が何もしなくても、ChatGPT側が決まった仕事をしてくれるようになります。

これは単なるリマインダーではありません。
ただ「論文を読みましょう」と通知がくるのではなく、
論文を探し、選び、要点をまとめるところまでを自動で行ってくれるのがタスク機能です。

たとえば、

  • 毎朝決まった時間に
  • 特定の分野に関する最新論文を探し
  • 重要そうなものをいくつか選び
  • 要点を日本語でまとめて提示する

といった一連の流れを、まとめて任せることができます。

この「探す・選ぶ・要約する」という工程は、
論文を読む以前にそこそこ負担が大きい部分ですが、
タスク機能は、この前段階の認知的な負荷を丸ごと引き受けてくれる点に価値があると思います。

もちろん、自分が0から探すより目に触れる論文の数は圧倒的に少ないです。
ただPubmedを開いて一から探す手間を省き、ひいては疲れて何もしない可能性を考えると
自動的に目に触れる環境の方が私にははるかに合っていました。

あまり興味がそそられないものを
提示されることもあるかもしれません。
その場合は、ChatGPTに「もっとこういう論文にして」と伝えればいいのです。
そうすることであなた好みの論文を探す能力が日々洗練されていきます。

現時点で、この「タスク機能」はChatGPT Plus、Pro、Teamsの有料プランユーザーに提供されています。将来的には、無料プランのユーザーにも順次提供される予定です。

毎朝おすすめ論文を届けてもらう流れ

ChatGPTのタスク機能を使った論文チェックは、
複雑な操作や特別な知識は必要ないです。
流れとしては、最初に一度だけ設定をしてしまえば、あとは受け取るだけです。

実際の流れは、次のようになります。

1. 最初に「関心分野」を決めてお
自分が普段診療している領域や、最近フォローしたいテーマをあらかじめ言語化します。
消化器内科、循環器、腫瘍、救急など、広すぎない範囲に絞るのがポイントです。

2. 「どんな論文を対象にするか」を指定する
最新の論文だけにするのか、直近1週間・1か月を見るのか、
症例報告を除くのか、レビューや大規模研究を優先するのか。
この条件を最初に決めておくことで、毎回の判断が不要になります。

3. ChatGPTが論文を探し、取捨選択する
設定した条件に基づいて、ChatGPTが関連する論文を想定上で検索し、
その中から「読む価値がありそうなもの」を数本に絞ります。
自分でPubMedを開いて一覧を眺める必要はありません。

4. 要約された文章を読む
あとはChatGPTを開くだけ。
各論文について、
研究の目的、対象、主要な結果、臨床的な示唆といった
「読むかどうかの判断に必要な情報」だけがまとめられるように設定します。
詳細を理解するための要約ではなく、あくまで入口として使っています。

実際に使っているタスク設定のためのプロンプト例(コピペ可)

ここでは、私が実際に使っている ChatGPTのタスク設定内容を紹介します。
完璧な自動化ではなく、「毎朝、論文に触れるきっかけを作る」ことを目的にしています。

タスクの前提条件

1. 対象は英語論文(最新のものを優先)
2. 分野は自分の専門に限定
3. 数は多くしすぎない
4. 要約は日本語、短く
5. 判断材料になる情報だけを抜き出す

実際に設定しているタスク文面(例)

以下は、ChatGPTのタスク機能にそのまま入力している文章です。
※ 専門分野の部分を自分の領域に置き換えるなど、適宜アレンジして使ってください。


タスク内容(コピペ可)

目的:
忙しい消化器内科医が、短時間で「原文を読む価値がある論文」を判断できるようにする。

タスク内容:
毎朝6時に、直近7日以内に公開された英語論文の中から、
消化器内科・消化管疾患・内視鏡・炎症性腸疾患(IBD)・肝胆膵領域に関連する重要な論文を3本選んでください。

論文選定の条件:
・PubMedで検索される論文を想定する
・症例報告は除外する
・以下を優先する
 - 臨床研究(RCT・前向き/後ろ向き研究)
 - システマティックレビュー/メタアナリシス
 - ガイドライン
 - 大規模観察研究
・日常診療や今後の臨床判断に影響しうる内容を重視する

出力形式(日本語):
各論文について、以下の形式で簡潔にまとめてください。

【論文タイトル】
【掲載年/雑誌名】

・研究の背景・目的(1行)
・対象と方法(1行)
・主要な結果(1〜2行)
・臨床的に示唆されるポイント(1行)

注意点:
・要約は「理解の代替」ではなく、「読む価値があるかを判断するための材料」とする
・専門医が3分以内に全体を確認できる分量を意識する
・過度な一般向け説明は不要

頻度:
毎朝6時に1回、この形式でまとめて提示する

この使い方で気をつけていること

ChatGPTのタスク機能は非常に便利ですが、論文インプットに使う以上、いくつか意識している点があります。

1. 要約はあくまで入口であり、一次情報ではないことに注意

ChatGPTが提示してくれる要約は、「読むかどうかを判断するための材料」です。
要約を読んだだけで論文を理解したつもりにならないよう、
少しでも気になったものは、必ず原文に戻るようにしています。

2.「正確さ」より「継続」を優先しています

すべての論文を網羅することや、完璧な要約を求めすぎると続きません。
多少抜けや偏りがあっても、
毎朝論文が目に入る状態を作ることを最優先にしています。

3. タスクの条件は定期的に見直す

専門分野や興味は、時間とともに少しずつ変わっていきます。
なんか思っている論文が提案されないな…と違和感を感じ始めたら、
対象期間や分野、論文の種類を軽く調整するようにしています

4. AIに任せすぎないことを意識する

論文を探す・選ぶ・要点を整理する部分はAIに任せていますが、
「どう読むか」「どう使うか」は自分で決めるようにしています。
AIは思考を代替する存在ではなく、思考の前段階を支える道具だと思っています。

まとめ:論文インプットを生成AIで「習慣化」しよう

論文インプットが続かない原因は、意欲や能力ではなく、
論文を読むという習慣化ができていないことにあります。

ChatGPTのタスク機能を使えば、
論文を探す・選ぶといった負担を減らし、
毎朝自然と論文が目に入る状態を作ることができます。

大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。
毎日原著を読む必要はありません。
まずは要約を眺め、「読む価値があるか」を判断できれば十分です。

論文インプットは、気合いで続けるものではなく、
仕組みで淡々と続けるもの
生成AIを上手に使いながら、自分に合った形で習慣化していきましょう。

では。

他にも論文検索におけるChatGPTの活用法などを記事にしています。

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