論文検索に検索AI Perplexityは本当に使える?PubMed×生成AIの完全ガイド

検索拡張生成

はじめに

近年、PerplexityやConsensusといった生成AIを活用した論文検索が注目されています。これらは自然な言葉で会話するかのように検索が可能で、関連性の高い論文を効率的に探すのに役立ちます。
論文検索においてPerprexitiの活用法や限界、対策方法を解説します!

専攻医
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生成AIを使った論文検索って、やっぱりでたらめな情報も多いの?

Perplexity AIとは

: https://www.perplexity.ai
Perplexity AIは、AIを活用した新しい形の検索エンジンです。従来の検索エンジンとは異なり、質問応答に特化しており、ユーザーの質問に対して自然言語で直接的な回答を返します。

まずPerplexity AIのサイトにアクセス→ユーザー登録後、下記の画面が現れます。

中心の検索欄に質問を入力します。話し言葉で構いません。今回は「アルツハイマー病の新しい治療法と従来の治療法を比較した研究論文を探したい」と日本語で入力しました。

矢印をクリックすると、ものの2,3秒で下記の画面が出ます。

「ソース」の部分に回答の作成に参考にした情報源が羅列しています。

Perprexitiの注意点

ここで注意が必要なのが、日本語で質問すると、日本語表記のサイトしか参考にされていない点です。
Pubmedにある論文の情報なんかは、全く反映されていません!!

海外の知見を得たい場合は、英語で質問する必要があります。すると英語表記のサイトしか参考に生成してくれませんから、英語圏の発信者の情報しか得られません。

この問題の解決方法(どうやったら言語を超えた世界中の情報を統合して生成してもらえるか)を生成AIのGemini 2.0 Flashに聞いてみました。

すると、以下の回答が返ってきました。

要は、日本語と英語の両方で質問して比較するか、Googleなどの検索エンジンでさらに検索するか、参考文献に行き情報を探しに行く、というのが次点の方法みたいです。
ここからは知りたい情報が出てくるかわからないなかで自力で検索したり情報を探しに行かないといけません。

ちなみに先ほどの「アルツハイマー病の新しい治療法と従来の治療法を比較した研究論文を探したい」を”I want to find research papers comparing new treatments for Alzheimer’s with existing treatments.”と英訳してPerprexitiに質問すると、

と、Pubmedや医学雑誌などの情報をもとに回答を生成してくれました。ただ情報源は8つしかなく、全て網羅的に検索できているとは言えないでしょう。

網羅的に検索するには生成AI+Pubmed

網羅的に論文を検索するには従来通り、Pubmedなどで論文検索するのがまだまだ有用そうです。

(2025年2月3日にリリースされた Chat-GPT Deep Researchでは、その有用性から論文検索をする手間も省けてしまう可能性もありそうですが、、、。とはいえ適切なプロンプトを作る力や、情報の整合性を判断したり取捨選択する能力は依然として求められそう)

ここからPubmedで検索するにあたり、生成AIを活用して論文検索をする方法をみていきます。

ぜひ使ってほしい生成AIの活用法は、検索式の作成です。具体的な方法を見ていきます。

Chat GPT: https://chatgpt.com を開き、以下のプロンプトにあてはめて質問します。

PubMedで「〇〇」に関する論文を探したいです。MeSH用語を活用した適切な検索式を作成してください。

MeSH用語とは

MeSH(Medical Subject Headings)とは、
医学・生命科学分野の統一的​​な索引語(Controlled Vocabulary)であり、PubMedなどで検索する際に有用です。

例えば「心臓発作」を調べたい場合、「心臓発作」だけでなく「心筋梗塞」とい表現が論文で多く使われます。MeSHでは、標準化された「心筋梗塞」を使うことで、網羅的に論文を検索できます。

Chat GPTで検索式を作る

実際に検索式をChat GPTに作成してもらいます。 https://chatgpt.comでこのようにプロンプトを打つと、

と検索式を作成してくれました。「コピーする」ボタンを押して検索式をコピーし、Pubmed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/で検索してみます。

すると、

「結果はゼロでした」となりました。再度Chat GPTに検索式を考えてもらう必要があります。

結果がゼロになった原因として、「新しい治療法」「従来の治療法」という抽象的な言葉を検索式に使用していたことが挙げられます。その点をGPTさんに伝えると、

と作り直してくれました。修正のポイントも挙げてくれており、治療法を具体的な言葉へ変換してくれています。

再度検索式をコピーしてPubmedで検索し、2020年以降に絞ると

22件がヒットしました。ここから自分が読みたい内容の論文をタイトル、アブストラクトをザーッと読んで探していく形になります。適宜知りたい情報や除外したい内容があれば、検索式の調整をChat GPTに頼んでみましょう。

以上、生成AIで検索式を作成し、Pubmedで論文を検索する方法でした。

おわりに

現状、無料で論文を探しに行くのは「生成AIで検索式を作成+Pubmedで検索」が最強ではないでしょうか。そのうち、Deep Researchが無料で使えるようになれば、生成AIだけで完結する日も来るでしょうか…!?

最後までお読みいただきありがとうございました。では次の記事でお会いしましょう!

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