勉強に時間をかけているのに、なかなか内容が身につかない。教科書を何度も読み、きれいにノートをまとめても、しばらくすると忘れてしまう。そんな経験がある人に役立つのが、安川康介さんの『科学的根拠に基づく最高の勉強法』です。
本書は、学習に関する研究をもとに、効果が期待できる方法と、実は効率が高くない方法を整理しています。
正直、テストなどで学習度合いを評価されることが多い学生時代に知りたかった内容ばかりでした…。資格の勉強中の方や普段から読書や動画でなにかを学ぶ機会が多い方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
この記事では、本書の内容をもとに、特に印象に残った3つのポイントと、日常で実践しやすい勉強法をまとめます。
書籍の基本情報
- 書名:『科学的根拠に基づく最高の勉強法』
- 著者:安川康介
- 出版社:KADOKAWA
- 発売年:2024年
- ISBN:978-4-04-606723-4
こんな人におすすめ|私がこの本を選んだ理由
- 勉強しても内容をすぐに忘れてしまう人
- 資格試験や受験に向けて、効率よく学びたい人
- ノートのまとめ方や復習方法を見直したい人
- 仕事や子育ての合間に学び直したい人
- 科学的な根拠のある勉強法を知りたい人
本書の概要
本書では、勉強を「何時間取り組んだか」「何ページ読んだか」だけで考えないことが重要と伝えています。大切なのは、入ってきた情報を頭の中でどう処理し、その後どのタイミングで取り出すか。再読、ノートの書き写し、ハイライトといった身近な方法を検討したうえで、アクティブリコールや分散学習など、記憶に残りやすい方法を紹介しています。
後半では、精緻的学習、自己説明、複数分野を混ぜて学ぶ方法、記憶術、モチベーションの保ち方まで扱います。知識を覚える技術だけでなく、学習を続けるための自己効力感や好奇心にも触れており、学び方を幅広く見直せる一冊です。
印象に残った3つのポイント
1.「勉強した気になる方法」に注意する
教科書を繰り返し読むと、2回目以降は文章がすらすら頭に入るように感じます。しかし、その読みやすさが「覚えた」という感覚につながり、自分の理解度を高く見積もってしまうことがあります。本書では、これを「流暢性の錯覚」として紹介しています。
ノートへの書き写しやハイライトも、手を動かした満足感は得やすいものの、それだけで長期的な記憶につながるとは限りません。自分の言葉で要約する、質問を作る、教材を閉じて説明するなど、頭の中から知識を取り出す作業を加えることが大切です。
2.アクティブリコールと分散学習を組み合わせる
アクティブリコールは、一度学んだ内容を何も見ずに思い出す方法です。章を読んだあとに要点を書き出す、問題を解く、誰かに説明する、単語カードで答えを思い出すといった行動が当てはまります。知識を思い出そうとするときに脳へ適度な負荷がかかり、長期記憶に残りやすくなります。
さらに、一度に詰め込まず、時間をあけて復習する「分散学習」を組み合わせます。60分続けて同じ内容を読むより、30分ずつ別の日に取り組み、そのたびに思い出す機会を作るイメージです。楽に読める方法より少し大変ですが、この「望ましい困難」が学習を深めます。
3.好奇心と小さな成功体験が学びを続ける力になる
効率的な方法を知っていても、学習を続けられなければ成果にはつながりません。本書では、自己効力感と自己決定理論を手がかりに、モチベーションについても解説しています。
「自分にもできそうだ」と思える感覚は、達成可能な小さな目標をクリアすることで育ちます。結果だけを見るより、目標を決めて取り組んだ過程を記録し、前進を確認することが大切です。また、「試験のため」「評価されるため」だけに寄せず、自分が気になったことを調べる好奇心も学びを支えてくれます。
自分で選ぶ感覚、成長している実感、人とのつながり。この3つを意識すると、勉強を義務だけで終わらせず、続けやすい活動に変えられます。
読んでどう活かせるか
本書の内容を日々の学習に取り入れるなら、次のような方法が実践しやすそうです。
- 章を読み終えたら本を閉じ、覚えている内容を白紙に書き出す
- 復習日を翌日、数日後、1週間後などに分ける
- ノートの左側に質問、右側に答えを書き、思い出す練習に使う
- 学んだ内容を、初めて聞く人にも伝わる言葉で説明する
- 「なぜそうなるのか」と問いを重ね、既に知っていることと結びつける
- 小さな学習目標を決め、時間や問題数、できたことを記録する
- スマートフォンの通知を切り、勉強を始めやすい環境を作る
すべてを一度に変える必要はありません。まずは「教材を閉じて1分間思い出す」など、小さな方法を一つ選ぶと始めやすくなります。
まとめ
『科学的根拠に基づく最高の勉強法』は、学習時間を増やす前に、その時間をどう使うか考えるきっかけをくれる一冊です。
特に印象に残ったのは、再読や書き写しだけでは「勉強した気」になりやすいこと、アクティブリコールと分散学習の組み合わせ、そして好奇心と小さな成功体験が継続を支えることでした。
資格試験や受験だけでなく、仕事に必要な知識を学ぶ人や、大人になってから学び直したい人にも応用できます。努力の量だけに頼らず、記憶に残る形へ勉強のやり方を整えたい人におすすめです。
社会人になって、人生は日々勉強の連続だと実感していますが、この本の内容を実践し、より効率的に脳に学んだ内容を定着させていきたいと感じました。




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