リモートワークって眠くならない?
2020年からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックが終わった今も、そのなごりでリモートワークとして在宅勤務を導入し続けている企業は少なくありません。
私の妻もリモートで仕事をすることがあるのですが、「出社するより異常に日中が眠たい」とよく言ってます。
それを聞いて、家だから気が抜けてるんじゃないの、と返していましたが、実は在宅勤務が眠たいのには科学的根拠があるのかもしれません、、!
リモートワークが睡眠や日中の覚醒に与える影響を調べた研究が国内外で増えています。
その中でも、22週間にわたり都市部のオフィスワーカーを追跡した興味深い研究がございます。
この記事では、在宅勤務が睡眠と生活リズムにどのような影響を与えるのかを解説していきます。
研究概要:22週間、なにを調べたのか
この研究では、シンガポールのオフィスワーカー225人を対象に、在宅勤務の日と出社の日、そして休みの日における、
・睡眠時間や睡眠の質
・身体活動
・朝の眠気
・気分
・夕方のストレス
などについて22週間にわたり調査しました。
調査にはスマートウォッチおよびスマートフォンを用いた自己評価が用いられています。
研究結果:在宅勤務の日にはどんな変化がある?
研究結果では、在宅勤務の日は、出社の日と比べて就寝時刻が遅く、そして起床時刻も遅れていました。
朝起きるのは出勤時間がない分遅く起きて、その分ちょっと夜更かししてる、てことですね。そりゃあみんなそうするでしょう。かなり共感できます。
具体的には就寝が約15分遅く、起床は約40分以上遅れ、ベッド上にいる時間も眠っている時間も20分前後長くなっていました。
休みの日はこの傾向がさらに強まり、就寝・起床時刻ともに大きく後ろへずれました。
一方で、睡眠の効率そのものは勤務形態でほとんど変わらず、主観的な睡眠の質や朝の眠気もわずかな差にとどまりました。
つまり、在宅勤務では「睡眠の質はさほど変わらず、睡眠時間は少し増えるものの、生活リズムが後ろにずれやすい」という特徴があると言えますね。
在宅で気が抜けるから眠い、だけじゃなく、睡眠リズムが崩れることも眠気の一因となっているかもしれません。
睡眠時間の面だけを考えれば、在宅勤務であれば、推奨される睡眠時間に達しやすくなり、長期的には健康や集中力、仕事のパフォーマンスに良い影響をもたらす可能性があります。
一方で、身体活動量の低下は解消されていませんでした。出社日には在宅勤務日より1日あたり約3,000歩多く歩いており、この差は研究期間を通してほぼ変わりませんでした。通勤や職場内の移動、昼食時の外出といった「仕事に付随した動き」が、在宅勤務では自然に失われているためと考えられます。
また、意外にも「ストレス」、「モチベーション」については意外にも在宅勤務と出社日ではさほど大きな差はなかったようです。
生活背景による違い
さらにこの研究では、参加者の生活背景によって「在宅勤務の日にどう感じるか」が少し異なることも示されています。
たとえば 子どものいない参加者では、出社日のほうが在宅勤務日より眠気が強く、気分もあまり良くない傾向がありました。
一方で 子どものいる参加者では、出社と在宅勤務の差はほとんど見られず、むしろ休みの日と比べると在宅勤務日のほうが気分が下がっていました。
子どもの年齢にもよるとは思いますが、在宅勤務しつつお子さんのお世話もすることが大変な感じもしますね…
そのほかにも、
年齢については、若い参加者ほど在宅勤務や出社日の眠気が強く、高齢になるほどこの差は小さくなる傾向がありました。
勤務形態だけでなく、家庭の状況・性別・年齢といった個人の背景についても日中の眠気や気分の感じ方に影響するということには留意しないといけません。
まとめ
在宅勤務と通勤時の睡眠についての研究をご紹介しました。
上司や他の社員の目がない分、気が抜けてなんだか眠くなってしまう…という方には、睡眠リズムが遅れ気味になっていたり、出社日と比較して身体的活動が低下していることなども眠気につながっている可能性もあるでしょうね。
在宅ワークをはかどらせるためにも、いつもと変わらない時間に起きてみたり、休憩時間に散歩するなど、意識して運動してみるのも、一つの手かもしれませんね。



コメント