参考URL :https://www.popsci.com/science/why-we-have-nostrils/
「腕も脚も口も耳も眼も心臓もおっぱいも鼻の穴も2つずつつけてあげるからね
いいでしょう?いいでしょう?」
RADWIMPSの「オーダーメイド」の一節にこんな歌詞があります。
体のあらゆる部分は2つで構成されており、一方、この続きの歌詞のように、1つだけのものもあります。
「だけど僕はお願いしたんだよ 『口は1つだけでいいです』と
僕が一人でケンカしないように 一人とだけキスができるように」
オーダーメイドで作られた我々の体のつくりには、きっとそのようにオーダーされた理由があるはずですよね。
なぜ鼻の穴が2つなのか想像できる?
2つあるもののうち、例えば眼は両眼で広い視野を確保するためと容易に想像できますし、耳は両耳で音の場所を特定することができます。片眼を手でおおえば視界は半分になるし、片耳をふさげばふさいだ側から来る音は聞こえづらいですよね。
しかし、ふと鼻の穴はなぜ2つあるんだろうと思いました。片鼻をふさいだとて、目や耳ほどの困った感じがしない気がします。
ここでは鼻の穴がなぜ1つでなく2つなのか?について考えていきます。そのヒントになる記事をご紹介します。
この記事でわかること
- 鼻の穴がなぜ「1つ」ではなく「2つ」なのか? その知られざる科学的理由
- あなたが無意識にしている嗅覚のメカニズム
鼻の穴がなぜ1つではなく2つなのか? その科学的理由
鼻孔が2つあることで、肺に空気を送るという大変な作業をこなすのに役立ちます。
ずっと口呼吸しているとなにが起きるでしょう?口を開けて寝てしまった時に、喉がカラカラになりませんか?
ここに、鼻から呼吸することのメリットがあります。
鼻からの呼吸は、ほこりや汚染物質をろ過し、空気を体温と同じくらいまで温めます。適切な水分量を加えることで、肺に到達する前に空気の湿度を100%にします。
この仕組みは、冷たく乾いた空気が気道を刺激し炎症を起こすことを防いでいるのです。
この重要な役割を1つではなく2つの鼻の穴で効率的に果たしているのです。

左右の鼻は交代勤務している!?
カーディフ大学名誉教授で、同大学風邪センターを設立したロナルド・エクルズ氏は、「鼻孔が2つあることは、目と耳が2つあるのと同じように、珍しいことではありませんが、目や耳と違うのは、鼻孔が左右交互に空気の流れを変えることです。これにより、鼻の片側が休まる可能性があるのです。」と言います。
英国のフランシス・クリック研究所のアンドレアス・シェーファーらが行った研究では、両方の鼻孔が同時に同じ量の空気を取り込むことは決してないということがわかりました。
数時間ごとに、鼻の片側がより開いて空気の流れの大部分を処理する一方で、もう片側はより少ない空気を処理し、水分を回復させているのです。
あなたは無意識に左右で異なる種類のニオイを嗅ぎ分けている!
鼻の穴の嗅覚メカニズム
左右の鼻孔から吸う空気量が違うことで、嗅覚にも利点があるようです。
嗅覚は、鼻の粘膜にニオイ物質が溶け込むことでその信号が脳に伝わり「ニオイ」として認識されています。そしてニオイ物質には粘膜へ溶け込む時間が早いものとゆっくりなものとがあります。
空気量が少ない方は空気の流れが遅く、粘膜に溶ける時間が長いのでゆっくり溶け込むニオイ物質を感知し、逆に空気量が多いと空気の流れが速いため、粘膜に早く溶けるニオイ物質を感知しているという仕組みです。
つまり、実は左右の鼻で感じている匂いはわずかに違うということ。まったく自覚はできませんが。笑
脳は左右の鼻孔からの異なるニオイの情報を組み合わせて、より多くの情報を得ることで、あなた方の豊かな嗅覚が得られているみたいです。
実際に、ある研究では、両鼻から同じニオイを感じるような装置をつけた被験者と何もつけない(=両鼻から異なるニオイを感じる)被験者に33フィート(10メートルぐらい)離れた場所のチョコレートを目隠しをした状態で探し当ててもらったところ、両鼻から同じニオイを感じたほうが、チョコレートを特定する精度が落ちたというのです。
まとめ
この記事のまとめです。
ということで、今日からニオイを感じた時には、自分の鼻は意外と知らない間に凝ったことをしているんだなあ、と考えてみてください。



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