はじめに:ただ読むだけではもったいない?

絵本の読み聞かせって,ただ読むだけじゃだめ??
絵本の読み聞かせは、子どもの言葉の発達や想像力を育む大切な時間です。
しかし、ただ読んであげるだけではその効果を最大限に活かせないかもしれません。
「対話式リーディング」という方法を取り入れることで、子どもの語彙力や考える力が飛躍的に伸びることが、科学的にも証明されています。
対話式リーディングとは?
対話式リーディングとは、ただ読み聞かせをするのではなく、子どもに問いかけながら物語を進める読み聞かせ法のことです。例えば、以下のような問いかけを行うことで、子どもは受け身ではなく、自分で考えながら聞くようになります。
- 「この子、どんな気持ちだと思う?」
- 「次はどうなるかな?」
- 「もし○○だったらどうする?」
このように会話を交えながら絵本を読むことで、子どもの思考力や表現力が鍛えられます。
対話式リーディングが脳に与える影響
対話式リーディングの効果は、さまざまな研究によって裏付けられています。
(1) 語彙力の発達(Whitehurst et al., 1988)
- 対話式リーディングを取り入れた子どもは、そうでない子に比べて語彙力が約1.5倍向上したという研究結果があります。
- 親との対話を通じて、子どもは新しい言葉を覚えやすくなります。
(2) 想像力と考える力の向上(Tomasello, 2003)
- 物語の展開を予測することで、「もしこうだったら?」と考える仮説思考力が育ちます。
- これは,将来大人になったときの問題解決能力の基礎となります。
(3) 脳の活性化(Hutton et al., 2015)
- MRIを撮影した研究によると、対話式リーディングを受けた子どもは、言語や理解力を司る脳の領域が活発に働くことが確認されています。
- 言語能力だけでなく、社会的なコミュニケーション力の向上にもつながる可能性があります。

語彙力と思考力が上がって,コミュニケーション能力も養われるのね!
どうやるの? 今日からできる3つのポイント
1.
質問はYes/Noで終わらせない!
登場人物が楽しそうなとき、いままでは
「このキャラクター、嬉しそうだね」で終わっていたところを、
「なんで嬉しいのかな?」と掘り下げることで、子どもが自分で考える機会を増やします。
2.
子どもの答えを広げる工夫をする
例えば、子どもが「おばけが出てきた!」と言ったとき、「怖いね」で終わらず、
「どんなおばけだと思う?」「もしおばけと友だちになったら?」と話を広げていきます。
3.
一緒に話しながら楽しむ
子どもが「うさぎさん、にげちゃった!」と言った場合、
「ほんとだ! どこに行ったのかな?」と会話のキャッチボールを意識しながら、大人も一緒に楽しめば、子どもにもそれが伝わります。
まとめ:ちょっとした工夫で、絵本の時間がもっと楽しく!
絵本の読み聞かせは、ただ読むだけでなく「一緒にお話を作る」気持ちで進めることが大切です。
対話式リーディングは科学的にも、語彙力・想像力・脳の発達に効果があることが証明されています。今日からすぐできる読み聞かせテクニックを取り入れて、親子の時間をもっと豊かにしてみませんか?
ここまでお読みいただきありがとうございました。それではまた次の記事でお会いしましょう!
自ら勉強する子どもに育てるための幼少期からの接し方についての記事はこちら⇩

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